Facebook広告のクリック率はどれぐらいが理想なのか|改善方法も紹介

日本でメジャーなSNSのひとつが、Facebookです。若年層のユーザー数は他社SNSのほうが多い傾向もありますが、Facebookはビジネス層を中心に根強い人気を維持しています。

近年はSNSごとのユーザー傾向を活用したマーケティング手法が活発なため、Facebook上でも広告配信には高い集客力が期待できます。しかし、中にはFacebook広告のクリック率に伸び悩んでいたり、成果が出ているのか判断がつかなかったりする方も少なくありません。

ここでは、Facebook広告における理想的なクリック率と、成果が伸び悩んでいる場合の改善方法を紹介します。

Facebook広告を利用するならクリック率に注目しよう!

Facebook広告は、Facebookの広告枠やタイムライン上に表示されます。

設定によってデバイスに合わせたり、表示位置を自動で調整したりできるため、高確率でユーザーの視界に入れることができるのが特徴です。独自の高精度なターゲティングや配信最適化機能を活用しており、高い集客力が期待できます。

出稿した広告の成果を判断するためには、クリック率を確認しましょう。

Facebook広告のクリック率とは?

クリック率とは、Facebook上に表示された広告がユーザーにどのくらいクリックされたのかを数値化したものです。Webマーケティング上は、「CTR(Click Through Rate)」とも表示されます。

Facebookのクリック率(CTR)を割り出す計算式は、以下のとおりです。

クリック率(%)=広告がクリックされた回数÷広告が表示された回数×100

たとえば1,500回表示された広告が20回クリックされた場合、クリック率は約1.3%となります。

Facebook広告クリック率の平均値

Facebook広告のクリック率の計算式を理解したら、次は理想的な数値を把握しましょう。2019年時点の公式データによると、Facebook広告のクリック率の平均値は、約0.89%でした。

出典:「Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [2019]」(WordStream)

注意したいのが、あくまで平均値であることです。広告のクリック率はFacebookに限らず、業界によって大幅に異なります。

また、出稿する広告の目的や商品によって理想といえるクリック率は変動するため、平均値はあくまで目安と考えると良いでしょう。

Facebook広告のクリック率を確認する方法

Facebook広告の出稿後は、こまめにクリック率を確認することが成果を上げるポイントです。クリック率を確認するときは、以下の手順でデータを表示させます。

1.「広告マネージャ」を開く
2.メニューバーから「広告レポート」を選ぶ
3.「おすすめのレポートテンプレート」もしくは「広告レポートを作成」を選ぶ
4.「総合パフォーマンス」のレポートを見る

「おすすめレポートテンプレート」を選んだ場合、総合パフォーマンスでは、クリック率の他に動画・画像のエンゲージメントや年齢と性別に関するレポートが表示されます。

ほかのレポートも確認したい場合は、「広告レポートを作成」を選び、カスタムレポートを作成しましょう。

Facebook広告のクリック率が高いことによるメリット

Facebook広告は設定したターゲットに広告を表示できるため、狙った層に認知拡大をうながすことができます。より高いプロモーション効果を望むのであれば、クリック率そのものを改善させる対策が必要です。

Facebook広告のクリック率を改善すべき理由として、ふたつのポイントを紹介します。

より多くのユーザーデータが得られる

クリック率の改善は、データ収集の機会を拡大することにつながります。広告をクリックしてもらうことで、どのような層が興味関心をもってくれたのかなど、詳細なユーザーデータを得られるためです。

クリック数が増えれば増えるほど得られるユーザーデータの母数が大きくなり、年齢や性別による違いなど、こまかな傾向の分析もできるようになります。得られるユーザーデータが多いほど、今後のマーケティングに活かせるでしょう。

広告の評価が良くなる

クリック率の高い広告は、多くのユーザーから興味関心を集めているともいえます。ユーザーにとって有益であると判断され、広告そのものの評価も向上します。

広告の評価が良くなることで得られるメリットが、Facebookでの広告ランクアップです。高いランクの広告は表示回数が増えたり、上位表示されたりと優遇されるため、さらに広告の効果を高められるようになります。

どんなに良い広告を作成しても、Facebookでの広告ランクが低ければプロモーション機会を逃しかねません。まずはクリック率改善による広告の評価向上を狙うことが大切です。

Facebook広告のクリック率が低くなってしまう理由

前述のとおり、Facebook広告を効果的に活用するためには、クリック率を上げる必要があります。しかしながら、きちんと機能を活用していても、思うようにクリックしてもらえないことも多いのではないでしょうか。

Facebook広告のクリック率が上がりにくかったり、低くなったりしてしまう場合、考えられるのは次のふたつの理由です。

広告が魅力的ではない

クリック率を左右するポイントのひとつが、広告が魅力的であるかどうかです。ユーザーにとって興味関心をひくデザインやテキストを取り入れていなければ、表示回数が多くてもクリック率向上にはつながりません。

Facebookは、あくまでSNSの一種です。ユーザーは広告ではなくフォロワーとの交流や情報共有を行うために利用しています。魅力的ではない広告が表示されても、積極的にクリックしようとは思ってもらえないでしょう。

クリック率が低下傾向にあるときは、まず広告のデザインを見直すことが大切です。ユーザーから見て詳細を知りたくなるか、クリックしたくなる魅力があるかを客観的に評価して、適宜改善を行う必要があります。

ユーザーニーズに合ってない

デザインと同じく意識すべきポイントが、ユーザーニーズとのマッチングです。

クリック率が伸びない理由には、ニーズの合わない相手に広告を表示させていたり、ターゲットの心に刺さる広告デザインではなかったりしている可能性があります。

Facebook広告の高精度なターゲティング機能を活用するためにも、事前のペルソナ設計やターゲット設定は綿密に行わなくてはなりません。広告の商品やサービスを適切なユーザーへ訴求できるよう、「誰に」「何を」売りたいのか明確にしておきましょう。

Facebook広告のクリック率を上げる方法

Facebook広告のクリック率を上げる方法を、より具体的に紹介します。出稿した広告の改善を、何から始めれば良いのかわからないという方は、ぜひ試してみてください。

ターゲティングを見直す

Facebook広告を含め、Web広告の多くはターゲティングが大切です。目的に応じてリーチしたい相手に配信できるメリットを生かすためにも、以下の点を意識してターゲティングを見直しましょう。

・誰にアプローチしたいのか
・何をPRしたいのか
・どうやってプロモートするのか
・ユーザーにどんなアクションを望むのか

たとえば同じビジネス層でも、業種や職種、年齢、性別などの違いが挙げられます。

ただしターゲットを絞り込みすぎると、表示される機会が減るので注意しましょう。最初はある程度の幅を持たせてターゲティングしておき、ユーザーデータを集めてから徐々に精度を高めるのがおすすめです。

広告コピーを改善する

広告コピーも、ユーザー行動を左右する要素のひとつです。挑戦的なメッセージ、共感できるメッセージなど、同じ商品のPRでも広告コピーによってユーザーが受け取る印象は大きく異なります。

また、わかりやすさも重要です。広告に表示される文章がわかりやすいか、ターゲットの心に響くものであるかを見直しましょう。具体的な数値を入れるなど、説得力がありクリックしたくなるような訴求がおすすめです。

動画やカルーセルを利用する

Facebookは、動画広告やカルーセル広告など用途にあわせてさまざまな形態の広告を配信できます。カルーセル広告とは、複数の画像や商品URLをひとつの広告枠に表示できる広告のことです。

動画広告やカルーセル広告は視覚的に情報を伝えられるため、通常の画像広告よりもユーザーに興味をもってもらいやすい傾向があります。画像広告よりも多くの情報を詰め込める点も、大きなメリットです。

広告だけで商品やサービスのイメージが湧きやすくなるような効果を求めるなら、動画広告やカルーセル広告などの手法も積極的に取り入れてみましょう。

A/Bテストを実行する

さまざまな条件下での広告効果を調べるためには、A/Bテストが効果的です。A/Bテストとは、複数のパターンの広告を作成して同条件で配信して、どちらが高い成果を出すか評価する方法です。

たとえばシャープな広告Aとポップな広告Bを作成して、同条件で配信した場合、高い成果を出した広告デザインのほうが、その条件に合っているといえます。

A/Bテストを活用すると、ひとつの広告を手探りで改善するよりも改善点を見つけやすくなります。

まとめ

Facebook広告は、ターゲティングや表示場所、サイズなどが手軽に設定できるため、出稿しやすい点が魅力です。ユーザーの行動履歴やプロフィールを参考に表示先が決まり、ターゲットを絞ってリーチできるメリットもあります。

一方で、Facebook広告の特性を十分に理解したうえで、成果に応じて適宜改善を施さなくては、思うような効果は期待できません。出稿後もクリック率を中心にさまざまな分析を行い、成果につなげていきましょう。