スマートフォンやPCが普及し、年齢問わず多くの人々がインターネットで情報収集を行う時代となりました。企業側もSNSや検索エンジン、ホームページなどさまざまなメディアに広告を出稿し、オンライン上でアプローチする手法が浸透しつつあります。
オンライン上で効果的なアプローチを行うために理解しておくべきことが、DSP広告の種類と最適な活用方法です。
ここではDSP広告の種類と主な特徴、それぞれの最適な活用方法について紹介します。
DSP広告の仕組み
DSPとは、「Demand Side Platform」の略称であり、広告主のプラットフォームのことです。広告配信を希望している側が広告効果を最大化するために活用されます。
複数のアドネットワークなどによって、広告を横断的に管理したり配信したりできる仕組みです。
DSP広告が配信される流れ
DSP広告を配信するためには、SSP(Supply Side Platform)の存在が欠かせません。SSPとは広告を掲載するメディア側のプラットフォームで、DSPと対をなす関係にあります。
DSP広告が配信される流れは、以下のとおりです。
- ユーザーがサイトを訪問する
- SSPに通知が届く
- SSPが各DSPに広告の入札リクエストを出す
- 条件に合うDSPが入札を行う
- SSPが最高額を提示したDSPを選定する
- 落札者(最高額の入札者)の広告が掲載される
入札といっても時間はかけず、上記の流れが瞬時に行われるのがDSP広告の特徴です。訪問したユーザーの性別や年齢、行動履歴や検索履歴をもとに、およそ0.1秒のうちに行われます。
1インプレッション(広告掲載)ごとにSSPからの通知やDSPによる入札がリアルタイムで行われることから、RTB(Real Time Bidding)と呼ばれます。
DSP広告を導入するメリット
DSP広告を導入することで、以下のメリットが期待できます。
- ユーザーを広告ごとに細かくターゲティングできる
- コストを抑えつつ広告効果を高められる
- 広告管理にかかる工数を軽減できる
配信したい広告にマッチしたユーザーへアプローチできるため、興味のないユーザーへ広告配信するリスクが低くなります。検索履歴や行動履歴などを参考に配信する広告が決められることで、購買の期待値が低いユーザーへかける無駄なコストをカットできます。
DSP広告は、膨大なデータをもとに自動で広告効果の最適化や最大化が行われることも特長です。コストを抑えられることはもちろん、従来の手動で行う方法では困難なスピードとレベルで広告効果の最適化ができるメリットがあります。そのため、広告管理にかかる社員の工数軽減にもつながります。
DSP広告を導入するメリットについては、以下のページでも詳述しています。
「DSP広告を効果的に活用するためのメリット・デメリットとは?」
DSP広告の種類
DSP広告は複数の種類があります。DSP広告を選ぶときは、運用方法と課金方式のふたつの視点から比較検討しましょう。
ここでは、DSP広告の種類について運用方法と課金方式それぞれの特徴から紹介します。
運用方法
DSP広告の運用方法は、「アルゴリズム型(自動型)」と「運用型」のふたつに分けることができます。ただ、中には両方の特徴をあわせ持つタイプのDSP広告もあるため、自社に合う運用方法を選びましょう。
アルゴリズム型
アルゴリズム型は自動型とも呼び、その名のとおり各DSPが構築した独自のアルゴリズムに基づいて学習し、自動的にCPAを最適化してくれるタイプです。
事前に配信方法や目標など必要な設定を行えば、後は設定と日々の配信結果から学習した内容によって自動で運用してくれるため、工数をかける必要がありません。
手間がかからない分コストも比較的安価に済む一方で、配信を自由に調整することはできません。
運用型
自動で学習してくれるアルゴリズム型に対して、手動で調整などを行うことになるのが運用型のDSP広告です。運用型は年齢や性別などのユーザー属性と、これまでに配信した広告の効果などの各データを参考に、自社で運用する必要があります。
自らのアルゴリズムに基づいて自動で学習・調整してくれるアルゴリズム型とは違い、社員の工数がかかってしまいます。一方で、配信を細かく調整ができるため、柔軟に対応できる点はメリットといえます。
課金方式
DSP広告は入札額によって配信が決定します。配信時の広告費は一定金額ではなく、条件によって異なるため、同じ表示回数でも金額が異なることがあります。
課金方式は、CPC課金(クリック課金)とCPM課金(インプレッション課金)の2種類です。ここではそれぞれの課金方式について広告費用が発生するタイミングや特徴を紹介します。
CPC課金(クリック課金)
CPC課金(クリック課金)は、広告がユーザーによってクリックされてはじめて課金が生じる方式のことです。CPCはCost Per Clickの略称であり、1クリックあたりの金額をさしています。
クリック回数によって広告費が加算されていくため、いくら表示されてもクリックが生じなければ課金されることはありません。DSP広告の配信者は広告効果を発揮するために、クリック回数を最大限にするような施策が必要です。
CPC課金は、主にリスティング広告で採用されています。問い合わせや資料請求、申込みなどアクションを求める場合は、CPC課金方式によるWebサイトへの流入を促す広告が最適です。
CPM課金(インプレッション課金)
CPM課金(インプレッション課金)は、広告のクリック数ではなく表示回数をもとに課金される方式です。CPMとは「Cost Per Mille」のことで、広告が1,000回表示されるごとに発生する広告費のことを指します。
DSP広告で採用されている課金方式はCPM課金が多く、配信者はインプレッション数が最大化されるような配信を行う必要があります。DSP媒体によってはCPC課金と併用できる場合もありますが、いずれか一方の課金方式しか利用できない場合もあるため、慎重に検討しましょう。
CPM課金は問い合わせなど直接的なアクションよりも、広く認知されることを目的とした広告配信に向いています。ブランディングなど幅広い層にアピールしたいときにおすすめです。
DSP広告サービスを選ぶコツ
DSP広告サービスを選ぶときは、運用方法や課金方式の他にも、自社との相性も重要です。コスト重視で選ぶと使い勝手が悪かったり、配信したい広告に合わなかったり費用対効果が悪くなるため、複数の視点で各DSP広告サービスを比較しましょう。
最後に、DSP広告サービスを選ぶ際のチェックポイントをふたつ紹介します。
配信されるデバイスが自社に合っているか
DSP広告サービスは、各社で対応できるデバイスや得意な配信方法が異なります。PCもしくはスマートフォンのいずれかのみの対応しかできないDSP広告サービスもあるため、配信したいターゲットやデバイスに合ったサービスを選びましょう。
また、両方に対応している場合も、サービスごとに強みを持っているデバイスが異なる点に注意してください。PCもしくはスマートフォンどちらか一方のほうに強みを持っているDSP広告サービスを選ぶときは、より注力したいほうに強みのあるサービスがおすすめです。
どのデバイスをメインとするべきか分からない場合は、DSP広告サービスを選ぶ前に、ターゲットユーザーに沿った効果的なデバイスを検討することから始めましょう。
自社で運用できるリソースはどの程度あるか
前述のとおり、DSP広告はアルゴリズム型と運用型で手間が異なります。自社で運用できるリソースに合った運用方法を選ばなければ、求める効果を得られなかったり他の業務を圧迫したりする可能性があります。
運用のノウハウを持っている場合は、自社で調節しやすい運用型がおすすめです。運用ノウハウがなかったり、自社でリソースの確保が難しかったりする場合は、アルゴリズム型から試すと良いでしょう。
まとめ
DSP広告は、自社のターゲットや目的に応じた運用方法と課金方式を選ぶことで、広告効果を最大限に引き出すことができます。直接的なアクションを求めるのであれば、クリック数に応じて課金されるCPC課金が最適ですが、ブランディングなど不特定多数向けの広告ならCPM課金が向いています。
DSP広告サービスごとに強みのあるデバイスも異なるため、事前にターゲットや注力したいデバイスを明確化したうえでサービスを比較検討しましょう。